おっ母さんだけなんですよ、 俺のことそんなふうに言うのは。ほんと、変わったやつなんです。
よく気遣いができる方だなぁ。新郎様のちょっとしたしぐさに、
「新郎さん。新郎さんの気遣いに、先日私は胸を打たれました。
これは、そういう、新郎さんの行為の裏側に隠れた優しさを伝える、
絶好のチャンスなんですよ。伝えないともったいないですよ、新郎さんはすごく温かい人なのに…」
新郎さんは私を見て、かすかに微笑んだ。
「おっ母さんから聞いたんでしょう?
俺のこと、『根が優しい人』だって。おっ母さん、誰にでもそんなこと言うからなぁ。」
そう言いながらも新郎様の瞳は嬉しそうだった。
「おっ母さんだけなんですよ、
俺のことそんなふうに言うのは。ほんと、変わったやつなんです。
…俺、手紙、おっ母さんに書きます。
おっ母さんだったら、ぶっきらぼうな言葉でも、俺の本心を汲み取ってくれるから。」